207系900番台(廃車)
概要
国鉄最初で最後のVVVFインバータ制御車両
207系900番台は国鉄がVVVFインバータの試験を行うために制作した試作車両である。
205系をベースに制作され地下鉄千代田線に乗り入れる関係で正面に貫通口を設け、205系とは印象が異なっている。
国鉄ではVVVFインバータ制御の採用を本格化ために、101系に搭載して行っていた試験の次段階として試験結果を反映した新造車両を作成することになった。
そのため、高加減速を要求される常磐線各駅停車に投入することになり205系をベースとした新形式207系として1本のみ落成した。
いざ製造してみると予想以上に高額にになり、また1ユニットごと(5,6号車は日立と富士電機で別々)にVVVFの製造会社が異なったため頻繁に空転を起こすなど問題が多発したためこれ以降の導入は見送られ、さらにその後の東京メトロの新車投入にも影響を与えた。
その後東日本のVVVFインバータ車両は209系まで登場することがなく、他路線での新車投入には205系が選ばれていた。
ちなみに西日本に登場した207系は全く別車両であり当形式とは全く関係ない。
当形式はE233系2000番台の投入により、12月5日にさよなら運転を行い、1月5に長野総合車両センターに廃車回送され、解体された。
性能
設計最高速度:110km/h
営業最高速度:90km/h
加速度:3.3km/h/s
減速度:3.7km/h/s(常用最大)5.0(非常)
地下鉄乗り入れ協定に基づき加速度は3.3km/h/sに保たれ、また車両故障時の救援として10両編成を押すための力が確保されている。
しかしながら常用ブレーキが203系より多少強めに設定されている。
両数
10両編成×1本(4M6T)
全編成松戸車両センター所属
VVVFインバータながら、性能に不安があったため203系と同様6M4Tで組まれている。
制御装置
制御方式:VVVFインバータ制御
型番:SC60
制御素子:GTOサイリスタ
JRで初採用となったVVVFインバータは、日立製作所のものを基本とし富士電機、日立、東洋電機、東芝の4つのメーカーで製作された。
ただ、基本的設計はほぼ一緒であるので音階はほぼ同一である。
しかしながら、4社ものVVVFを一つの編成に集約したためバランスがとりにくいのか空転を頻繁に起こすようになってしまった。
主電動機
型番:MT63
主電動機は新たにMT63が制作され国鉄で初となるTD継手を採用している。
空調装置
型番:AU75G
大体の機器が205系と同じ物で構成されているため、空調装置も205系と同じものが搭載されている。
台車
DT50E(動力車)、TR235F(付随車、制御車)
205系と同様のの台車が採用された。
運転台
運転台は205系の運転台とは大きく異なり、最大の特徴として、ブレーキハンドルが抜き取り式であることがあげられる。
通常電気式ブレーキの車両はブレーキハンドルが固定式であるが、この車両以外のほとんどの車両が抜き取り式であるため使用を合わせる形で抜き取り式となった。
そのため、数少ない電気式ブレーキのハンドル抜き取り車でもある。
ほかにもマスコンハンドルも乗り入れ協定に基づき回転式が採用され、203系に似ている面も多い。
車内
車内も205系に準じたものになっていて、今では逆に205系の車内の原型をとどめた数少ない車両である。
シートモケットは交換されたが、それ以外は全く手が加えられていない。
シート
シートは205系と同じく7人掛け、3人掛け、3人掛け優先席の3種類が設置されている。
モケットは交換されているが、登場時の雰囲気をとどめている。
ドア
ドアは205系初期型と同様窓の小さめのタイプのステンレス製が採用されている。
車内プレート
車内プレートはもともとはアクリル板だったが、盗難のためかシール式になっている。
プレートがなくなってしまってるのは非常に残念である。
さよなら運転
12月5日に207系900番台は事前申込制によるさよなら運転を行った。
当日はヘッドマークが付けられ、松戸~取手間を1往復し、その後参加者に対しては松戸電車区で撮影会が行われた。
これをもって207系は営業運転を終了し、1月5日に長野総合車両センターに向け廃車回送され、その後1両を除き解体された。
Last update: 2010.03.04

